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本、読むのだ!

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珍しく文学記事。いや、最近私、映画を観ることが大きく減り、代わりに本を読むことが増えました。
やっぱ文字はいいなぁ。ふと本棚から出してしまい、そのまま3時間くらいかけて読破した、「北斗の拳」もいいけどね。
そんな中で一冊、中村文則先生の、「掏摸」(スリ)

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中村文則といえば、最近文学界、というか正確には、"文学に関わろうとする人達界"において、最早代表格と化した、又吉直樹が非常にプッシュする人です。
又吉直樹が文学に関わろうとする人達界で有名になったのは、2015年の「火花」ですが、私は又吉直樹がひっそり2011年に出していた、「第2図書係補佐」で、又吉直樹の、やたら熱の伝わるプッシュで中村文則を知りました。
そのとき読んだ、「何もかも憂鬱な夜に」は、私の生涯ベスト本の内一冊に入る超傑作として輝くこととなりました。こ、これは・・・他も読まねばならんよなァァ~!
ということで、図書館に駆け込み、次に読んだがこいつでした。
ちなみに、私が2015年より4年前の本を出したのは、俺ってあの人有名になる前から注目してたんだぜ~。的な、自慢ネタをやりたいのではなく、中村文則が、又吉直樹にプッシュされ、本屋で大きく並ぶようになっていますが、ここ数年やたらとつまらない本を連発しているため、読んでみたいと思った方、最近のはオススメできません!という前置きのために載せました・・・。いや、本当につまらない。2010年辺りから、かなりどうしようもない作品ばかり。新しい境地を模索しているのは伝わってくるのですが・・・・・・。

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内容はズバリ、世の中から、外れてしか生きられない人。というのがテーマで、外れて生きる手段として、掏摸という手段を使っている作品です。
ようは、以前私が散々勧めた映画、「SRサイタマノラッパー」を、さらにガチな外れた人目線にした作品という感じでしょうか。
まぁ、なんとなく私の映画趣味から伝わった人もいらっしゃると思いますが、アメリカンニューシネマとか、そういう、外れた人がテーマの映画、だいっ好きであります。(ゾンビやサメだけじゃないんです!)
掏摸に関しては、参考文献が最後に載っているということもあり、結構勉強しているのでしょう。かなりリアリティが、もっというと、現実に起こった犯罪の経験を語られるかのように伝わってきます。
また主人公の、外れて生きる人間特有の、世の中に対する無関心さ、興味のなさが強く伝わる内容で、自分の世界に生きる男。しかしハードボイルドさには大きく欠ける。そんな奴だから、ああ、こいつ長く生きれるタイプじゃないな。というのは序盤から、ぎんぎん伝わってきます。
もっといえば、主人公がどうしようもない最後をむかえる事。それ自体は最初から解っていることで、それが実際どうなるのか?主人公は、やはりそんな最後を、当たり前に受け入れてしまうのか?或いは戦うのか。そこがこの作品の、最も大きな部分だと思います。
実際主人公は、フリーの孤独な掏摸師として好き勝手やっているのですが、大物のヤクザに目をつけられ、無理難題を押し付けられ、失敗したら殺す。逃げても殺す。という展開が待っています。
フリーだから逃げられる可能性はある。しかし、逃げれば最近家に来る、かつての自分を重ねてしまう、虐待を受けている子供を殺される。その事で、大物ヤクザの台詞が、
「そんな人生を選んだくせに、何かと繋がろうとする。馬鹿の極みだ」
この辺りから、この作品、実は隠し持っていた、ヒジョーに男泣き作品としての本性を見せてくれます。
後半の、心底どうでもいい場所で、どうでもいい瞬間、主人公が、ふと自らの人生を省みて、こんな事で殺されてしまうほど安い人生だったか?という自問自答。そして無茶苦茶な難題に、決死の覚悟で挑む姿。お、男泣き作品!!

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男として生まれたなら、「キン肉マン」や、「魁!男塾」などに無条件で反応してしまうところ、あると思います。「ドラゴンボール」だって、なんらかんらであなた、好きでしょう。
今作は、そういう男心をくすぐる、ダークサイド作品となっております。単純なサスペンスモノとしてもある程度楽しめますので、是非、オススメです!

しかしアレですね。2010年以降の中村文則作品のつまらなさは、こういう、隠れた男泣き要素など、それまでに実は存在していたものが裏テーマから抜けてしまったことが理由だと思います。
芥川賞は信憑性が低い。ここ何年も言われていることで、実際芥川賞受賞作で、「ふざけんなよ!」と言いたくなるハズレに出会ったこともあります。
今作は、大江健三郎賞という、界隈でも、これ取ったやつは本物。といわれた賞に輝いた傑作です。是非、本当、活字本に手を出さない方が増えている昨今、こういう面白い体験ができるという一冊。もう一度いいます。オススメです!
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コメント

No title

どうでもいい話ですが、私、又吉さんの火花が話題になった時、夕食時に家族に自慢げに
「おい、ピースマタキチのハナビって知ってるか?」と言ってしまい、爆笑と白眼視の両方を獲得したことがあります。
痛恨のミスでした。
今の文壇にはとてつもなく疎くて(笑)。
相変わらず司馬遼ばかりです。
そして今回、司馬遼太郎の「関ヶ原」が映画化されたと聞いて、久しぶりに映画館に足を運ぼうかと思っています。
あの複雑な人間群像をどのように描いているのか興味があります。

No title

>なおけんたさん
私も最初は花火だと思っていました・・・。
痛恨のミス、私も気付かぬ内にやっていたかもしれません。
正直同じく最近の文壇には疎いです。どんどん漫画関係の人の表紙ばかりになって、手を出しにくい感じがします。中村文則の小説も、大体は人が表紙に描かれているため、ちょっと苦手です。
人が描かれた表紙、イメージの齟齬が起きることが多いので止めて下さい!
そういう意味ではおそらく手に取らなかったであろう本。マタキチさんの紹介は非常にありがたいものでした(笑)

私、本は読みますが文学作品には縁がありません。ただの食わず嫌いなんですけど。
殆どが推理小説、三国志や春秋戦国時代の中国歴史物、海外SFファンタジー物で占められてます。

ですが、「キン肉マン」、「魁!男塾」ばりの男心をくすぐられると聞いて、この小説読んでみたくなりました。
なんといってもマタキチ先生、スニゲーター先生のお薦めですしね(^_^)

No title

>Ironさん
エンターテイメント系も好きです。中島らもなんかは学生時代散々読みました。
あと江戸川乱歩も好きですね。推理小説としてはアホーな内容ですが・・・。
とにかくマタキチ先生を信じましょう!

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